胸ポケットに辞表を!~『転職の思考法』は全サラリーマン必読~
これは、『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』の主人公の悩みだ。正直30歳くらいのサラリーマンであれば誰しも一度は抱えた悩みであると思う。私もその一人だ。というよりこの本の主人公と悩み、状況がシンクロしすぎていて驚いたほどだ。
結論からいうと、この本は上記の悩みを解決してくれる。転職を考えている人にとっては、必読の一冊だ。
だが、それ以上に『会社、仕事とどう向き合っていけばよいか』を全サラリーマンに教えてくれる一冊となっている。
■サラリーマンの大きな悩み
主人公は30歳の特別な専門性もない大きな組織も率いた経験もない凡人。
金曜日だけを楽しみに生きている、それでいいのだろうか。 定年まで逃げ切ることしか考えていない、それでいいのだろうか。言われた仕事以外は誰も責任を取りたがらない、それでいいのだろうか。
↑まさに私の会社も課長補佐以上の40代がやけに多い。入社当初は働かない彼らに憤りを感じていたけれど、それも社会だと納得している自分に気づいた。 そしてぼんやりそうなるんだろうなあとあきらめている自分がどこかにいる。そんな方も多いはず。
■それでも転職しようと思わないのは何故?
転職が怖いのは『初めての意思決定だから、何かを手放すからだ』とメンターとなる黒岩は説く。そのうえで転職に必要なのは情報ではなく、『思考法』だと言う。
■一生食えるを確保するためには?
マーケットバリュー(給与の期待値)を高めることが一番大事。
マーケットバリューは以下3要素の掛け算で決まる
①業界の生産性→生産性が高い業界か?伸びてる業界か?
②技術資産→経験と専門性
③人的資産→人脈、仕事をくれる人がいるか?
端的に言うと、伸びてる業界行け!衰退業界行くな!ということ。
衰退業界かつ代替可能な仕事(だれでもできる仕事)は最悪。
↑2ちゃん創設者のひろゆきも『働き方 完全無双』の中で提唱している『個人としてワンチャンを狙いながら幸せを目指す』生き方に酷使している。たまたまその場所にいた奴が勝つ。ニコニコ動画が成長し、ニコ動の中で動画をあげている一般人が有名になったのは、能力ではなく、『たまたま彼らがそこにいた』からだとひろゆきは言っている。加えて、伸びる業界にいたという経験もスキルになる。
■仕事にやりがいがないのに行動を起こせないのは何故?
自分が弱いから。ではなく『会社を辞める』という選択肢を持っていないから。選択肢を持ったうえで、対等な立場で会社と接する必要がある。それがあって初めて自分に自信を持てる。選択肢を失った瞬間、仕事は窮屈になる。
サラリーマンではないけど、キングコングの西野が頭に浮かんだ。彼はTV以外の場で活躍し、収益を上げたうえでTVと対等に接することを選んでいる。以下記事がよくまとまっている。
記事の中で彼はこう語る。
TVと芸人の関係性は、そのまま会社とサラリーマンの関係性ともいえる。サラリーマンも会社と対等な立場で接するために自分で稼ぐ力を付けないといけない。それをしないと会社のいいなり=会社の奴隷となってしまう。
■人間のやりたいこととは?
人間の99%はどうしてもやりたいことなどない。と黒岩は説く。人間には2種類いる。
・ t o d o (コト )に重きをおく人間 … …何をするのか 、で物事を考える 。明確な夢や目標を持っている
・ b e i n g (状態 )に重きをおく人間 … …どんな人でありたいか 、どんな状態でありたいかを重視する
■b e i n g (状態 )に重きをおく人間が仕事を楽しむためには?
①マーケットバリューを高めること/仕事でつく嘘を最小化して自分を信頼すること
②適正な緊張と緩和のバランスをとること
→良い緊張(前向きな緊張)、悪い緊張(ネガティブな緊張)をあげてバランスを考える。
■そもそも転職とは?
世の中の人々に次のチャンスをもたらすもの。転職が活発になれば個人が幸せになるのはもちろん、会社も個人に魅力あるよりよい会社になる。個人も会社も幸せになる。
■【最後に】サラリーマンが目指す道とは?
サラリーマンは人生の大半を会社で過ごす。働いている自分を好きにならなければ、本当の意味で自分を好きになれない。『食べていく力』をつけて、自分を好きになりたい。そう強く思った。是非一読を!